「黒板の文字が見えにくくて、授業がわからない」、「部活で野球をやっているけど、この頃ボールがよく見えない」など、視力低下の程度によっては、学習やスポーツなどに支障を来たす場合があります。
お子さんのさまざまな活動を妨げないためにも、近視への対策は大切です。


近年、子どもの近視は世界中で増加しています。ここでは、子どもの近視の状況をはじめ、子どもの近視が増えた原因、近視のリスク、ふだんの生活への影響について解説します。



近年、子どもの近視は増加しており、小学生の約4割、中学生の約6割、高校生の約7割が裸眼視力1.0未満と報告されています1)。
今後も世界的に近視は増加すると考えられ、2050年までには世界人口の49.8%に上ると予想されています2)。

※ 令和2~5年度については、学校保健統計の調査機関を年度末まで延長した。そのため、本集計結果は成長の著しい時期において測定時期を異にしたデータを集計したものとなっており、過去の数値と単純比較することはできない。
令和5年度学校保健統計(学校保健統計調査の結果):
https://www.mext.go.jp/content/20241127-
mxt_chousa02-000038854_1.pdf
[最終アクセス日:2024年12月3日]

子どもの近視は日本のみならず、
世界的にも増加傾向にあります。



子どもの近視の増加には、ライフスタイルの変化が影響しているといわれています。 スマートフォン、ゲーム機などを長時間、近くで見ていることも近視の原因といわれています。


近視の原因と言われるライフ
スタイル。お子さんに当てはまる
ものはありませんか?



「近視になってもメガネをかければ見えるから…」と近視を軽視していませんか?
実は、さまざまなデータが蓄積され、近視が将来の目の健康に影響を及ぼすことがわかってきています。
以下の表は、近視の程度と目の病気の関係を示したものです3)。

Haarman AEG. Et al.: Invest Ophthalmol Vis Sci., 61, 49 (2020)より作表
オッズ比:ある因子が病気の発症に関連する程度のこと。数字が大きいほど関連性が強い。
ただし、オッズ比はその因子が何倍病気になりやすいという意味ではありません。
白内障:目のレンズ(水晶体)が濁って見えにくくなる病気
緑内障:自分でも気づかないうちに、ゆっくりと、視野が欠けていく病気
網膜剥離:網膜がはがれて、見えにくくなる病気
軽度であっても、将来、緑内障や網膜剝離などの視力にかかわる病気になる可能性があります。
お子さんの将来の目の健康を守るために、近視になってしまっても進行させないようにすることが重要です。

近視を軽く考えず、
早めに眼科を受診しましょう。





親子で「見え方」について話して
みましょう。
気になる点がある
場合は、眼科医に相談しましょう。
親子で「見え方」について話して
みましょう。気になる点がある
場合は、眼科医に相談しましょう。

【参考資料】
- 1)文部科学省. 令和5年度学校保健統計(学校保健統計調査の結果)
- 2)Holden BA, et al. Ophthalmology. 2016; 123(5): 1036-1042.
- 3)Haarman AEG, et al. Invest Ophthalmol Vis Sci. 2020; 61(4):49.