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アレルギー性結膜炎の患者さんは今や日本の人口の35~40%と推定されています1)。
アレルギーを引き起こす原因物質(アレルゲン)としては、春先の花粉がよく知られ、毎年多くの人が花粉が原因のアレルギー性結膜炎(季節性アレルギー性結膜炎)を発症します。早期に完全に治すことは難しく、日常生活に支障をきたします。
また、家の中のダニやほこり、ペットのフケや毛などがアレルゲンとなることもあります。これらの「ハウスダスト」は季節性の花粉とは違って、一年中症状を引き起こす場合があります。
どちらの場合も、アレルゲンを回避しながら薬剤を上手に用いて治療を行えば、症状をコントロールすることができます。
1)岡本茂樹 他 : 日本眼科学会雑誌, 126(7), 625(2022)
アレルギー性結膜炎は、目の表面に花粉などのアレルゲン(アレルギー反応を引き起こす物質)が付着して、結膜に炎症を起こす病気です。花粉などが原因の、特定の季節にのみ症状があらわれるものを季節性アレルギー性結膜炎といい、一年中症状がみられるものは、通年性アレルギー性結膜炎といいます。
日本眼科アレルギー学会診療ガイドライン作成委員会:日本眼科学会雑誌, 741(2021)
私たちの身体には、体内に入ってくる異物を排除しようとするはたらきがあり、このはたらきのことを免疫といいます。本来、花粉などは異物と感じないしくみになっているのですが、アレルギー体質だと異物と認識して、免疫反応がはたらいてしまいます。この過剰な反応のことを、アレルギー反応といいます。
アレルギー反応が起こると、マスト細胞という細胞から、ヒスタミンなどの化学伝達物質が大量に放出されます。これらの物質は、目の知覚神経や毛細血管などを刺激して、強いかゆみや充血などの炎症を引き起こします。
https://www.jsaweb.jp/ 2026年3月5日閲覧
■ アレルギー性結膜炎の症状が起こるしくみ
季節性アレルギー性結膜炎の原因物質は、主に2月~5月に多く飛散するスギやヒノキの花粉などです。また、通年性アレルギー性結膜炎の原因物質は、主にハウスダスト、ダニなどです。
日本眼科アレルギー学会診療ガイドライン作成委員会:日本眼科学会雑誌, 741(2021)
アレルギー性結膜炎の症状で、多くの患者さんを悩ませるのが目のかゆみです。目がかゆいことにより、目をこすってしまうとさらに症状が悪化し、結膜や角膜を傷つけ、目がゴロゴロしたり、かすんだり、まぶしく感じたり、痛みがでたりします。
その他、涙や目やにが多くでることもあります。
見た目には、充血や目のはれ、まぶたの裏にぶつぶつができることもあります。
アレルギー性結膜炎の治療の基本は、薬物療法となります。
治療の第一選択は、抗アレルギー薬(メディエーター遊離抑制薬、ヒスタミンH1受容体拮抗薬)です。
症状が強い場合には、ステロイド点眼薬を併用することがあります。
ステロイド点眼薬のご使用に際しては、医師の指示に従ってください。
お薬の使用中に気になる症状があらわれた場合は、医師または薬剤師にご相談ください。
日本眼科アレルギー学会診療ガイドライン作成委員会: 日本眼科学会雑誌, 125, 741(2021)より作成
スギ花粉症など毎年決まった時期にアレルギー性結膜炎の症状がでる場合には、花粉飛散予測日の2週間前、または症状が少しでもあらわれたら抗アレルギー薬による治療を始める「初期療法」が行われています。
初期療法を行うことで、症状がでる時期を遅らせ、症状を軽くすることが期待できます。毎年、花粉症で目のかゆみにお悩みの方は、早めに受診し、花粉シーズンに備えましょう。
今井透:名医のわかりやすい花粉症・アレルギー性鼻炎,同文書院,p79(2005)より改変
治療期間中は、かゆみが起きてからお薬を使用するのではなく、かゆみの 発生をおさえるために使用します。 目のかゆみの発生をおさえるためには、治療期間中は症状があってもなくても、用法・用量(回数・タイミ ング)を守って、お薬の使用を続けることが大切です。
■ アレルゲン(花粉・ダニなど)を回避・除去するための生活上の工夫
角環: 眼科ケア, 10(2), 108(2008)より作成
アレルギー性結膜炎の原因、症状、治療などについて紹介した小冊子です。