2025年8月19日
眼科領域に特化したグローバル製薬企業である参天製薬株式会社(以下Santen)は、このほど中国現地法人を通じて革新的な医薬品の研究開発と商業化に取り組む中国のバイオ医薬品企業である榮昌生物製藥(煙台)股份有限公司(以下RemeGen社)とライセンス契約を締結しましたのでお知らせします。本契約に基づき、RemeGen社は、自社開発のRC28-E硝子体内注射剤について、Santenに対し、ライセンスを供与します。これにより、Santenは、中国本土、台湾、香港、マカオ、 韓国、タイ、ベトナム、シンガポール、フィリピン、インドネシア、マレーシアを対象地域として、RC28-Eを開発、製造、販売する独占権を取得します。
RC28-E硝子体内注射剤は、血管内皮増殖因子(VEGF:vascular endothelial growth factor)と線維芽細胞増殖因子(FGF:fibroblast growth factor)の両方を標的とする二重特異性融合タンパク質です。網膜疾患である滲出型加齢黄斑変性(wAMD)、糖尿病黄斑浮腫(DME)、糖尿病網膜症(DR)の治療薬として臨床開発が進められています。SantenとRemeGen社との提携により、革新的な新規分子への患者さんのアクセスが大きく加速することが期待されます。
中国において、治療が必要なDMEの患者数は570万人1、wAMD2の患者は381万人に上ります。さらに、中国国内の糖尿病患者数は、2021年には1億1,400万人を超えると推計されています3。
2025年5月7日、ARVO 2025(Association for Research in Vision and Ophthalmology Annual Meeting 2025)において、DMEの治療に関するRC28-Eの第II相臨床試験の結果が発表されました。同試験では、RC28-E投与群で最高矯正視力(BCVA)及び中心領域網膜厚(CST)肥厚が大幅に改善され、また認容性も確認されました。
2023年、RemeGen社は、wAMDとDMEの治療について、RC28-Eの第III相臨床試験を開始しました。同社は、2025年度下半期にDMEへの適応について中国で生物製剤承認申請(BLA)を提出し、2026年度半ばにwAMDへの適応についてBLA申請する予定です。
Santenの代表取締役社長兼CEOである伊藤毅は、次のように述べています。「RemeGen社は、新薬開発の分野で突出した能力と革新力を示してきました。RemeGen社の中核眼科パイプラインであるRC28-Eは、血管形成と線維化を同時に標的とするという独自の優位性があり、眼底疾患の治療に対して新たな治療アプローチと革新的なオプションを提供することが期待されます。Santenは、グローバルと各地域においてあらゆるパートナーとの協力と提携を強化し、眼科領域において質の高い開発を進め、患者さんのアンメットニーズに対応しています。引き続き、人々が『見る』を通じた幸せを実感できる社会の実現を追求してまいります」。
RemeGen社CEOであるDr. Fang Jianmin氏は、次のように述べています。「Santenは、130年以上にわたり眼科の専門知識を活かし、世界60以上の国・地域で強固な販売網を保持しています。RemeGen社は、カテゴリー1*の革新的医薬品を自社開発しており、RC28-EはBLA申請を間近に控えています。RemeGen社とSantenの強みが組み合わさることで、RC28-Eの可能性が最大限に引き出され、網膜疾患の治療に革新的かつ効果的なソリューションがもたらされるものと確信しています。このたびの提携は、RC28-Eの将来的な製品化に向けた強固な基礎を築くだけでなく、国際的に有名な眼科企業が眼科薬の研究開発におけるRemeGen社の能力を高く評価していることを示すものです。当社は、Santenとともに革新的事業を推進し、眼科医療において新たな一歩を踏み出せることに期待しております」。
なお、契約条件に基づき、RemeGen社は、契約一時金として2億5,000万人民元を受領するほか、開発および規制関連のマイルストン達成に応じて最大5億2,000万人民元、販売マイルストン達成に応じて最大5億2,500万人民元の支払いを受ける予定です。さらに、ライセンス対象地域における純売上高に基づく追加のロイヤルティも受領します。
<参考文献>
* カテゴリー1とは、中国国内および海外のいずれにおいてもこれまでに販売されたことのない治療用バイオ医薬品を対象とした、革新的なバイオ医薬品の分類です。この定義は、中国国家薬品監督管理局が定めた「バイオ医薬品の登録分類および申請資料に関する要件」に基づいています。
Santenについて
Santenは、眼科領域に特化したスペシャリティ・カンパニーとして、世界中の患者さんや生活者、医療関係者の皆さまへの価値ある製品やサービスの提供を通じ、人々の「Happiness with Vision」の実現に貢献することを目指しています。創業以来、「天機に参与する」という基本理念の下、130年以上にわたり人々の目の健康維持・増進を追求してきました。現在、眼科領域における医薬品の研究開発、製造、販売・マーケティング活動をグローバルに展開し、世界60以上の国・地域で約5,000万人の人々の目の健康をサポートしています。Santenのミッションは、眼科領域における専門性と患者さん視点から創出される製品やサービスを通じて、目の病気の予防や診断、治療において今まで提供されていない重要な価値を患者さんや社会に提供し続けることです。一人でも多くの患者さんが幸せで豊かな人生を過ごすことができる未来を創り出すため、世界中の人々が「見る」を通じた幸せを実感できる社会の実現に向けて全力を尽くしています。
詳細については、当社ホームページhttps://www.santen.com/jaをご参照ください。
RemeGen社について
RemeGen株式会社は、中国・煙台経済技術開発区に本社を置き、北京、上海、米国カリフォルニアに研究開発拠点と子会社を展開する革新的なバイオ医薬品企業です。同社は、2020年に香港証券取引所のメインボード、2022年に上海証券取引所STAR Marketに上場した「A+H」二重上場企業です。
RemeGen社は、独自の知的財産権を有する新規バイオ医薬品の創薬、研究開発、製造、商業化に取り組んでいます。自己免疫疾患、がん、眼科領域などの治療領域に軸足を置き、臨床的価値の高い複数の医薬品を開発しています。
-本件に関するお問い合わせ先-
参天製薬株式会社 コーポレート コミュニケーション
Email: communication@santen.com
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