Santen Koreaは2000年の設立以来、着実な成長を遂げており、韓国はアジアにおけるSantenの主要市場の一つとなっています。現在は韓国の眼科領域市場で16%(※1)のトップシェアを有し、特に緑内障領域では39%(※2)の高いシェアを獲得しています。

その成長の立役者となったのが、Santen Koreaの立ち上げにかかわり、現在代表取締役を務めるイ・ハンウンです。患者さん中心の戦略で市場優位性を確立してきただけでなく、柔軟で生産性の高い組織を作り上げ、Santen Koreaの事業拡大を牽引してきました。Santen Koreaが25年間どのような歩みを経て、今後何を目指していくのか。イ・ハンウンに戦略と思いを聞きました。

韓国市場の特徴に合わせた成長戦略で、眼科領域トップシェア(※1)へ

私は1988年から製薬業界に従事し、1995年からは他社で日本の眼科製品のマーケティングを担当していました。当時からSanten製品に対する高い評価を耳にしており、専門領域で自分のキャリアを確立したいという思いも相まって、縁あってSanten Koreaの立ち上げに参画することになりました。現在はSanten Koreaの代表に加えて、アジア事業(※3)副統括も務めています。

 

韓国は日本と同様に高齢化社会で、かつ高齢化のスピードが速いという特徴があります。2024年時点で65歳以上の人口が全国民の19.2%であり、2050年には日本の同年予測をしのぐ40%超になるとも予測されています(※4)。高齢化にあわせて、ドライアイ・緑内障・網膜疾患といった目の疾患がより多くの人にとって身近な課題となっています。また、韓国の人々は健康・医療に対する関心が非常に高く、治療に対しても患者さんが積極的に選択しようとする意識が強いです。その影響もあり、防腐剤の入っていないシングルドーズ(一回使い切り)製品の人気が高く、シングルドーズ製品が眼科領域市場製品の3~4割を占めています(※5)。

インタビュー中のハンウンの写真

Santen Koreaではこうした韓国市場のニーズを把握し、これまで継続的に新製品を投入してきました。患者さんのために迅速に高付加価値の治療薬を投入するのは、製薬会社にとって基本中の基本ともいえますが、その基本を着実に実行することがSanten Koreaの堅調な成長を下支えしています。

 

2010年頃までは取扱製品が2~3品目しかありませんでしたが、現在は約30品目まで増加しました。2013年にはドライアイのシングルドーズ製品を韓国の製薬企業と共同開発・上市したほか、2025年にはノバルティスが製造・販売する網膜疾患治療薬の韓国における独占流通・販売促進に関する契約を結び、網膜疾患領域でも患者さんに直接貢献ができるようになりました。こうした活動が現在の成長につながり、Santenのアジア事業全体売上の約50%を韓国が占めるまでに至っています。

「Santenらしさ」が市場での差別化に

Santen Koreaでは、2010年の緑内障・高眼圧症治療剤の上市を機に、より「Santenらしい」販売をしようと自社販売体制へと舵を切りました。その実現のために組織体制の構築や投資を進めたことが、今のSanten Koreaを形作る大きな転機になったと言えます。自社販売を開始した当初は、短期的には苦しい状況も経験しましたが、ポートフォリオを拡大することで、2016年には事業の安定化を実現しました。

インタビュー中のハンウンの写真

Santen Koreaが考える「Santenらしさ」とは、高い専門性を基盤に付加価値の高い情報提供を行い、医療関係者と強固な信頼関係を築くことで、患者さんのためのソリューションを提供することです。自社販売体制を含め、「Santenらしさ」を追求するためのたゆまぬ取り組みが、医療関係者からの信頼や、市場でのシェアに成果として表れています。

中でも、使いやすく患者さんの満足度が高い製品を、市場の特徴に合わせた組み合わせでご提案することや、誠実できめ細かいSanten Koreaのコミュニケーションスタイルは、韓国の医療関係者から「Santenらしいね」と高く評価されています。例えば、製薬会社がしばしば行う学会やシンポジウムをとっても、イベント前後の綿密なヒアリングや、医療情報を参加者に正確に伝えようとする姿勢が「他社とは違う」と市場での差別化につながっています。

こうした「Santenらしさ」をさらに追求する中で生まれたのが、Patient Journey Solutionsです。Patient Journeyとは、患者さんの疾患認知、診断から治療、回復に至るまでの一連の体験を指します。これらの体験すべてにおいて患者さんに寄与したいという思いで、2024年に組織改編を実施しました。これにより医療関係者への情報提供だけでなく、新製品開発やマーケティング活動、中長期的な領域戦略までを一気通貫で行えるようになりました。

成長と挑戦の機会あふれる職場が、強い組織をつくる

Santen Koreaは2025年、2026年と2年連続でGreat Place To Work®から韓国の「働きがいのある会社」として認定されました。これは、単に従業員がハッピーな会社を目指した結果ではありません。私は仕事に関して高い期待を持つことがありますが、それは私たちが同じ目標に向かって協力するとき、Santenでの仕事が最も大きなインパクトを生むと信じているからです。私は従業員に対し、自分たちの活動が患者さんにもたらす価値について常に考えるよう促しています。

Santen Koreaメンバーとの写真

自分の役割・責任に忠実な人が集まった組織は強固です。なので従業員たちが成長し、役割を果たすために必要な施策には、積極的に投資をします。例えばSanten Koreaでは、従業員が自ら申請して他部署を経験できるキャリア制度や、他国拠点との交流・派遣を通して従業員の成長を促す取り組み、若手がベテランにフィードバックをするリバースメンタリングなどを実施しています。今後は疾患領域の壁を越えたジョブローテーションも検討しており、従業員が全分野に知識を持つことで、先生方により価値の高い情報提供を行えるようになると期待しています。

当初4名から始まったSanten Koreaですが、現在は100名を超える組織となりました。独自の能力と競争力を持つ組織へと発展してくることができたのは、社員一人ひとりの成長があったからこそです。私は、社員の成長こそが、組織が唯一無二の競争力を持って進化していくための最も重要な鍵であると考えています。だからこそ挑戦と成長の機会を提供し、社員のモチベーションを高めることに注力しているのです。会社と従業員が共に成長していく姿こそが、私の理想です。

世界の患者さんや眼科コミュニティから信望を集める存在となるために

Santen Koreaを患者さんや眼科医療に携わる皆さまから信頼され、必要とされ続ける会社にしたい。これが私の長年の目標です。そのためには事業の持続的な発展を通じて、より多くの患者さんに価値を届けていくことが必要です。まずは2025-2029年度中期経営計画実現のために事業基盤の強化を進め、新たな成長機会も取り入れながら事業拡大を目指していきます。

 

また10年後、その先も成長し続けるSanten Koreaのために、患者さんのニーズに応える製品を投入し続けること、安定的な組織を作ることが自分のミッションだと考えています。絶えず挑戦と成長を繰り返しながら、人々の“Happiness with Vision”の実現に貢献していきたいです。

企業理念が書かれた壁の前に立つハンウンの写真
  1. 出典:Copyright © 2026 IQVIA. IQVIA MIDAS 2024を基に当社分析 無断転載禁止。(網膜領域を除く)
  2. 出典:Copyright © 2026 IQVIA. IQVIA MIDAS 2024を基に当社分析 無断転載禁止。
  3. アジア事業の対象国・地域:韓国、ベトナム、タイ、フィリピン、インドネシア、マレーシア、シンガポール、台湾、オーストラリア
  4. 2024年高齢者統計に基づく https://www.kostat.go.kr/board.es?act=view&bid=10820&list_no=432917&mid=a10301010000
  5. 出典:Copyright © 2026 IQVIA. IQVIA MIDAS 2024を基に当社分析 無断転載禁止。Eyedrop製剤のUnitベース
 
ハンウンのプロフィール写真

イ・ハンウン
Santen Korea 代表取締役社長(CEO)

2001年 Santen Korea入社。Santen Koreaの立ち上げにかかわり、マーケティング、経営管理、事業部門長、副社長を経て2017年に社長就任。2025年、韓国で最も尊敬されるCEO100名に選ばれた。

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