Santenにおけるデジタルトランスフォーメーション

Santenは、経営の重要な基盤として情報セキュリティや災害等に対するITレジリエンスを強化すると共に、各ビジネスプレイヤーによるさまざまなデジタル活用を推進しています。社員一人ひとりのデジタルリテラシーを高めることで、AIをはじめとする進化し続けるデジタル技術を活用し、業務の質を向上させます。さらに、AIや自動化技術を応用して業務プロセスを革新し、業務効率と生産性を飛躍的に向上させ、創造性を高めます。また、データから得られるインサイトを基により的確な判断を迅速に行い、深い顧客理解を通じて最良の選択を目指します。

DX認定の更新

Santenは2024年にDX認定を更新しました。デジタル技術の絶え間ない進化に対し、試行錯誤を重ねながらも新しい技術を積極的に取り入れ、日々改善を重ねることで、企業としての持続可能な成長を実現し、医療従事者との信頼関係をさらに高め、患者さんと患者さんを愛する人たちに対してさらなる貢献を続ける未来を築いていきます。

データの真価を活かした迅速で的確な意思決定

データは現代のビジネスにおいて最も貴重な資産の一つですが、データそのものが価値を生み出すわけではありません。価値を生み出すためには、必要なデータが特定され、そのデータが信頼に足る品質を備え、必要な時にすぐに取り出せる形で集約されていることが重要です。さらに、それらのデータが社員にとって理解しやすく、見やすい情報という形で整理されていることが求められます。そして、社員がデータと分析に対する正しい知識を持ち、情報を理解することで知識として蓄え、その知識を基により良い判断をすることで初めて真の価値が発揮されます。

Santenでは、データから真の価値を引き出すために、次のような取り組みを行っています:

  • データリテラシーの向上: 社員一人ひとりがデータを正しく理解し、迅速な判断が下せるよう、各社員のレベルに合わせたトレーニングと、相互学習の場となるコミュニティを通じて、データリテラシーを継続的に向上させることに注力しています。
  • データガバナンスの強化: 各社員が必要な時に必要なデータにアクセスでき、可視化された理解しやすいデータを迅速に引き出せる環境を整備しています。
  • データ基盤の集約: 必要なデータを見極め、量と質を高めて集約し、蓄積することで、意思決定を支える基盤を整えています。

2022年2月に、経済産業省が定める「DX認定事業者」の認定を取得しました。これは当社の取り組みについて、経営者に求められる企業価値向上に向け実践すべき事柄を定めた「デジタルガバナンスコード」の項目に関して認定基準を満たしていることや、ステークホルダーに適切な情報開示が行われていることが評価され認定されたものです。
さらに、ISO/IEC 27001に準拠した情報セキュリティ方針を掲げ、ステークホルダーを守るための取り組みを強化しています。サイバーセキュリティプロセスの構築に加え、情報セキュリティリスクへの対応の一環として、日常の業務の中でサイバーセキュリティへの対応を効率的に習得できるようゲーミフィケーションを利用したトレーニングの実施などもグローバルで進めており、高いセキュリティ水準を保持しています。
内部統制を高める施策としては、次世代ERPの導入を進めています。地域横断型のアジャイルな組織編制により成り立つ高度専門人材チームのもと、社内プロセスの標準化と透明性の向上を目的としたグローバルプロジェクトを推進し、ビジネスモデルの変革を加速させています。標準化されたデータ基盤を会社の重要な経営資源として活用することで、 経営の迅速な意思決定と収益性の改善、新たな価値創出へつなげていきます。 

これにより、社員一人ひとりが迅速かつ的確な意思決定をできるようにし、ビジネスの俊敏性と競争力の大幅な向上に貢献することを目指しています。

データの活用事例

  • 顧客インサイトの把握とコマーシャルエクセレンスの強化: リアルタイムの情報から得られる顧客の情報を基に、顧客インサイトを深く理解し、顧客にとって最適なコンテンツとエンゲージメントを提供することで、顧客体験を向上させ、一層の信頼関係を構築することを目指しています。具体的には、顧客情報を一元化し、行動データやフィードバックをリアルタイムで収集・分析することで得られた情報から、顧客の期待や不満を正確に把握し顧客インサイトを理解します。それを元に、顧客のニーズに沿ったコンテンツを最適なチャネルを通じて迅速に提供します。
  • データの可視化と共有で治療効果を向上: カスタマーサポートプログラムやデジタルソリューションを通じて、データや情報を可視化し共有することで、医療従事者と患者の相互理解を深め、治療成果を向上させることを目指しています。信頼関係が深まることで、患者は安心して治療を受けられる環境が整い、医療の質が高まります。具体的には、患者自身の症状や治療計画を可視化することで、患者が自分の健康状態をより理解し、治療に積極的に関わることを支援します。また、医療従事者が患者の症状や状況を迅速に把握できることで、正確な診断や早期の治療介入を可能にします。

生成AIで実現する業務革新と生産性向上

Santenでは、全社的に生成AIを積極的に導入し、業務の効率化と生産性の向上及び新たな価値の創出を目指しています。生成AIは現代のビジネスにおいて革新をもたらす重要な技術であり、絶え間なく進化を続けています。進化し続ける生成AIの有効性と安全性をしっかりと評価しながら、社員の良きパートナーとして活用するために以下の取り組みを行っています。

  • 汎用型生成AIの導入と高度化: 高いセキュリティを確保した汎用型生成AIを全社的に導入し、社員全員がその恩恵を享受できる環境を整え、日常業務に対する満足度の向上を図ります。さらに、汎用型生成AIを社内データと連携させることで、情報検索を容易にし、生産性の向上や業務プロセスの効率化を促進し、新たな価値の創出を実現します。
  • 業務特化型生成AIの開発と導入: 生成AIが得意とする業務を特定し、それに適した業務特化型AIサービスを開発しています。試行錯誤を繰り返しながら、人とAIの協業の最適な形を探索することで、継続的な業務の効率化を進めています。さらに、プロセス自動化(RPA等)との組み合わせや自律型AIエージェントにより、タスクの簡略化と自動化も推進し、さらなる生産性の向上を図ります。

Santenは、汎用型および業務特化型の生成AIの導入と活用により、社員の業務スピードと精度を向上させ、業務効率と生産性を大幅に改善することを目指しています。生成AIを社員のパートナーとして位置づけることで、戦略的な業務に集中できる環境を整え、企業の競争力を強化し、持続可能な成長を支える基盤を築きます。

デジタル時代を切り開く社員の能力開発

データ分析やデジタル技術がビジネスのあらゆる側面で重要性を増す中で、各社員がこれらを効果的に活用できるよう支援することは、企業の競争力を高めるために必要不可欠です。Santenでは、データ分析、生成AI、プロセス自動化などの注力エリアを中心に、社員の能力を向上させ、各自が自身の業務および個人の目標を達成するためのスキルアップを後押しする取り組みを行っています。

  • レベルとニーズに応じたトレーニングの提供: 各パートナー企業とも連携し、社員のスキルレベルやニーズに合わせた様々なトレーニングの機会を提供しています。社員は、対面およびオンライントレーニングを通じて、データおよびデジタルツールの基礎知識を獲得し、その活用方法を実践的に学べる環境を整えています。
  • 各種コミュニティの活性化: 社員同士が知識を共有し、相互に学び合い高め合う場としてコミュニティを立ち上げています。最新のデジタルツールの情報や、データおよびデジタルツールを活用する上での日々の学び、困りごと、より良い活用法などをお互いに共有し、助言し合うことで、常に知識をアップデートできる場として、社員の積極的な参加を促しています。
  • 市民開発の促進: 社員が正しい知識と一定のルールのもとで、より主体的にデータやデジタルツールを活用し、時にはそれらを応用して新たな価値を創出できるよう、RPAやBIツール等の市民開発を推進していきます。定められたガバナンスの下で、規律ある開発環境を整えることで、認定された社員が安心して各自のニーズに沿った開発に取り組めるよう支援します。

Santenでは、進化し続けるデジタル技術に柔軟に対応し、社員一人ひとりが正しい知識と規律の下でこれらを効果的に活用できるよう支援しています。また、日々の活動を通じて生み出されたデータをもとに、的確な判断を行うことを促進することで、医療従事者との信頼関係をさらに高め、患者さんと患者さんを愛する人たちに対してさらなる貢献を続けていきます。