品質・安全性

Santenは、患者さんに安心、信頼して製品やサービスを利用していただくために、製品の品質と安全性を確保するとともに、必要な時に供給できる体制を確立していきます。

製品ライフサイクルにおける信頼性の確保

品質基本方針

Santenは適用される法規、規格、基準を満足し、必要な科学技術を応用して、世界中の一人ひとりが「見る」を通じて幸せな人生を実現するために、人々に信頼される高い品質および安全性を確保した製品とサービスを提供し、社会に貢献することを品質基本方針とする。

当社では「品質基本方針」に基づき、医薬品の製品ライフサイクル全般において信頼性の確保に努めています。
生産や品質管理などに関わるすべての従業員は、配属時および定期的に、品質管理やSOP(Standard Operating Procedures:標準作業手順)など製品の品質・信頼性確保のための教育を受けています。
製品の品質および有効性や安全性、発売後の対応まで含めた企業の信頼性を確保するため、品質保証および監査・安全監視・監査部門として品質保証本部を設置しています。信頼性保証体制については下記ページをご覧ください。

偽造医薬品対策

当社は、偽造医薬品の流通により、健康被害や治療機会の喪失による病状の悪化等の問題から患者さんを守るため、GDP(※1)への対応はもとより、グローバル規模でサプライチェーンのセキュリティ対策に取り組んでいます。
当社製品の容器や箱について不正開封を防止する機能を実装することで製品の完全性を確保し、ロットトレースシステムを運用しています。また現地規制に準じたシリアライゼーション(※2)の対応を行い、製品のトレーサビリティ(※3)強化に取り組んでいます。
さらに、正規流通経路の完全性を確保するため、流通に関する現地規制を考慮し、流通経路のリスクアセスメント、監査による流通業者の評価、品質に係る契約書の締結、不具合事象の監視を行っております。

  1. GDP:Good Distribution Practice、医薬品の適正流通基準
  2. シリアライゼーション:医薬品の製造から消費までの流通の管理のため製品への固有の識別コードを割り当てること
  3. トレーサビリティ:医薬品の製造から消費までの流通経路を追跡・把握できるようにすること

医薬品の安全性監視のための情報把握

医薬品は治療に役立つものであるとともに、副作用などにより健康に好ましくない影響を及ぼす可能性もあります。このため、当社を含む医薬品および医療機器を製造販売している企業は、副作用などによるものと疑われる症例などを把握した時には、厚生労働省に対して報告することが法令により義務づけられています。
Santenでは、医療関係者や患者さんから、副作用情報など安全性に関わる情報を把握した際、安全管理統括部門に情報が迅速かつ適正に報告され、社内の関係部署間で共有されるよう社内手順を文書に定め、安全性監視(ファーマコヴィジランス)の面からも信頼性をグローバルに保証する体制を構築しています。また、すべての役員および従業員が当社の責務と取るべき行動について理解を深める研修を実施しています。
グローバルな信頼性保証体制の仕組みについては、下記ページをご覧ください。

製品回収

当社は、製品の安全性や有効性、品質、表示などに問題が見つかった場合には、速やかに当局に届け出るとともに医療機関などに情報提供し、その製品を回収する体制を整えています。過去4年間の自主回数件数は下記のとおりです。なお、関連する健康被害の報告はありませんでした。

自主回収件数2019年度2020年度2021年度2022年度
クラスⅠ(※1)0000
クラスⅡ(※2)3011
  1. クラスⅠ:その製品の使用等が、重篤な健康被害または死亡の原因となりうる状況
  2. クラスⅡ:その製品の使用等が、一時的なもしくは医学的に治癒可能な健康被害の原因となる可能性があるかまたは重篤な健康被害のおそれはまず考えられない状況

医療過誤の未然防止への取り組み

薬剤の取り違えが発生すると、使用した患者さんに期待した効果が得られなかったり、思わぬ副作用が発現したりするなどの恐れがあります。このような医療過誤を未然に防止するため、Santenでは薬剤の包装や容器の表示を分かりやすくし、医療従事者の確認作業の負担軽減や薬剤取り扱いの正確さ確保につながるよう、改善に取り組んでいます。
例えば、同一成分で複数濃度がある点眼剤では、点眼容器を包むシュリンクラベル上部やキャップの天面に濃度を大きく目立つよう表示しています。

同一成分で複数濃度がある点眼剤の表示例