2025年4月4日
参天製薬株式会社(本社:大阪市、以下Santen)はこのほど、中国の国家薬品監督管理局(NMPA)よりタプコム🄬(一般名:タフルプロスト/チモロールマレイン酸塩、開発コード:STN1011101)の製造販売承認を取得したことをお知らせします。本製剤は、SantenおよびAGC株式会社(本社:東京都千代田区)により創製されたタフルプロスト0.0015%と、チモロール0.5%を含有する防腐剤無添加の配合点眼剤です。タプコム🄬は、開放隅角緑内障・高眼圧症の患者さんを対象とする眼圧下降において、β遮断薬またはプロスタグランジン誘導体単剤では効果が不十分で併用療法を必要とする患者さんおよび長期的な緑内障治療において防腐剤を含まない点眼剤が有用な患者さんを対象として、新たな治療選択肢を提供するものです。
緑内障は、視野欠損につながる視神経の損傷を引き起こし、世界中で失明の主な原因となっています1,2。この疾患は、一般に進行性で非可逆性であるため、治療において、早期発見・早期治療によって進行をコントロールすることが不可欠で、眼圧を下げることが視神経の損傷を回避する有効な治療法です。緑内障の患者数は、2040年には世界で1億1,180万人に増加すると予測されています3。「中国緑内障ガイドライン2022」では、単剤療法で目標眼圧が達成できない場合、作用機序の異なる薬剤の併用療法を用いることができるとしています。また、配合剤は、コンプライアンスが向上し使いやすく経済的で、配合剤が利用できる場合は、併用療法よりも配合剤が推奨されます4。
さらに、防腐剤を含む緑内障製品を長期的に局所使用すると、眼表面疾患を引き起こしたり、既存の眼表面疾患を悪化させたりする可能性があります。中国の既存の緑内障治療薬の中で、タプコム🄬は、中国初のファーストラインのプロスタグランジン誘導体を含有した防腐剤無添加の配合剤です。2つの有効成分は、眼圧降下のための房水動力学に対する作用機序が異なります。本剤の配合成分であるタフルプロストの活性代謝物(タフルプロストカルボン酸体)は、プロスタノイドFP受容体作動薬で房水流出を促進し、もう一方の配合成分であるチモロールマレイン酸塩は、非選択的β受容体遮断剤で房水の産生を抑制します。併用療法と同じ有効性と安全性を1日1回の投与で達成でき、2種類の点眼薬を併用する場合と比べて、患者さんの利便性、服薬遵守、およびQOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)がいっそう向上します。また、同時に防腐剤への暴露量を低減することで、長期にわたって薬物療法を受ける緑内障患者さんのベネフィットが高まります。
Santenのチーフ メディカル オフィサーであるピーター・サルスティグは、次のように述べています。「緑内障は、世界中で不可逆的な失明の主な原因となっており、多くの患者さんのQOLに大きな影響を及ぼしています。そのため、Santenでは緑内障を重要な重点治療領域として優先し、患者さんのニーズを満たす治療薬の開発と質の高い眼科薬の提供に取り組んでいます。中国でのタプコム🄬承認は、中国の緑内障患者さんに新たな治療オプションを提供し、緑内障の治療を発展させる上で重要な節目となります。
タプコム🄬は、欧州とアジアを含む40以上の国および地域で承認されています。
<参考文献>
Santenについて
Santenは、眼科領域に特化したスペシャリティ・カンパニーとして、世界中の患者さんや生活者、医療関係者の皆さまへの価値ある製品やサービスの提供を通じ、人々の「Happiness with Vision」の実現に貢献することを目指しています。創業以来、「天機に参与する」という基本理念の下、130年以上にわたり人々の目の健康維持・増進を追求してきました。現在、眼科領域における医薬品の研究開発、製造、販売・マーケティング活動をグローバルに展開し、世界60以上の国・地域で約5,000万人の人々の目の健康をサポートしています。私たちのミッションは、眼科領域における専門性と患者さん視点から創出される製品やサービスを通じて、目の病気の予防や診断、治療において今まで提供されていない重要な価値を患者さんや社会に提供し続けることです。一人でも多くの患者さんが幸せで豊かな人生を過ごすことができる未来を創り出すため、世界中の人々が「見る」を通じた幸せを実感できる社会の実現に向けて全力を尽くしています。
詳細については、当社ホームページhttps://www.santen.com/jaをご参照ください。
-本件に関するお問い合わせ先-
参天製薬株式会社 コーポレート コミュニケーション
Email: communication@santen.com