私たちSantenは、長年にわたり培ってきた眼科領域における専門性と、患者さん視点に立った問題解決のアイディア創出力を強みとし、より多くの患者さんや医療現場に価値ある製品やソリューションのご提供に努めています。

今回は日本での成功モデルを中国に展開することで、中国地域の患者さんへの貢献拡大に取り組んでいるプロジェクトについて、中国における眼科医療の現状や課題にも触れながらご紹介します。

中国が抱える目に関する課題

 

中国では、人口増加や高齢化、生活習慣等の変化により、緑内障、糖尿病網膜症、病的近視、加齢黄斑変性、白内障等の眼疾患が増えています。特に緑内障は、放置していると失明につながる恐れもある目の病気です。中国の緑内障患者さんは、過去数年間増え続けており、2020年時点の患者数は約2,200万人と想定されています1・2
一般的に、緑内障は自覚症状が乏しいため、定期的な眼科検診による早期発見と早期治療が大切です。一方で、中国においては眼科医の不足や医療インフラの未整備の他、患者さんにとっては通院継続の負担という世界共通の課題もあります。
そうした課題を少しでも改善し、一人でも多くの緑内障患者さんへの貢献拡大を目指すため、これまでの日本における緑内障患者さんと医療関係者へのアプローチの成功事例を中国でも展開しようと、2021年から取り組んでいます。

1 Quigley HA, Broman AT. The number of people with glaucoma worldwide in 2010 and 2020[J]. Br J Ophthalmol, 2006, 90(3):262-267. DOI:10.1136/bjo.2005.081224.
2 Cheng CY, Wang N. Prevalence and causes of vision loss in East Asia in 2015: magnitude, temporal trends and projections[J]. Br J Ophthalmol, 2020, 104(5): 616-622. DOI: 10.1136/ bjophthalmol-2018-311946.

中国に最適化されたコマーシャル・エクセレンスの確立を目指す

Santenにおけるコマーシャル・エクセレンスは、患者さんにとって最適な眼疾患治療とアイケアを実現したいという志が起点となっています。
具体的には、研究開発の段階から患者さんに製品をお届けするまで、グローバルで標準化された型に基づいて質の高い戦略を策定し、KPI(戦略を成功に導くための指標)とPDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルの徹底管理を行い、医療従事者や薬剤師等を通じて、患者さんに提供される眼疾患の治療とアイケア製品の価値を最大化することを意味します。
日本と中国のメンバーが協業し、日本のノウハウを最大限に用い、中国に最適化されたコマーシャル・エクセレンスを確立する取り組みがスタートしています。
緑内障の治療を必要とする患者さんにより良いサービスをお届けするために、まず300人の中国の眼科医にアプローチすることを目指しました。その際、眼科医のニーズを把握し提案に繋げられるプロセスの仕組み化、MR(医療情報担当者)向けのトレーニングプログラムの開発、PDCAサイクルの運用化等の整備を行いました。
これにより、営業活動の状況や成果を量的・質的に把握できるようになり、MR一人ひとりが目的意識を持ち次のアクションや改善に繋げられるようになりました。また、これまでは部門ごとにトレーニングを実施していましたが、このプロジェクトをきっかけに、部門の枠を超え協力しながら推進するようにもなりました。
そうした取り組みは、MRが医師と接する際のコミュニケーション活性化につながり、結果、中国においてより多くの患者さんに緑内障製品をお届けできるようになっています。また、中国の従業員のモチベーションの向上や組織連携の強化につながっているだけでなく、日本事業の従業員にとっても活動を振り返る貴重な機会となり、協業の好循環が生まれています。

 

Santenのコマーシャル・エクセレンス

中国の眼科医に医薬品情報を説明するMR

環境負荷削減に取り組む蘇州工場

 

高まる患者さんニーズに応えるべく、中国の蘇州工場、日本の能登工場と滋賀プロダクトサプライセンターそれぞれの強みや特徴をいかした包括的な製造・供給体制の整備も進めています。また、生産力の向上と同時に、環境負荷低減にも取り組むことは企業の社会的責務でもあります。

蘇州工場においては、国の規制に基づき、工場で使用する水をリサイクルする設備が導入されており、すでに90%以上の水を再利用しています。この取り組みを含め、水資源を効率的に使用している企業として、所在する江蘇省からの表彰を受けています。
さらに、CO2排出量削減対策を目的に、2023年10月に1,784枚の太陽光パネルを蘇州工場に設置しました。太陽光発電の導入により、年間100万キロワットの発電量を確保し、年間704トンのCO2排出量と、工場での電力コストの約10%を削減する見込みです。

蘇州工場に設置されたソーラーパネル

世界の人々の目の健康に関するニーズは年々増加し、なかには継続した治療を必要とする疾患もあり、価値あるソリューションの開発と安定供給は私たちの責務です。Santenは、持続的な成長を通じて社会に貢献し続けられるよう、地域を超えてノウハウやアセットを共有・活用し合い、全従業員が一丸となり取り組んでまいります。

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