Santenが目指すInclusion(共生社会の実現)

当社は、視覚障がいの有無に関わらず交じり合い、いきいきと共生する社会の実現に向け、視覚障がいへの理解や「見える」ことの大切さを学べる活動を推進しています。

「Inclusion」(共生社会の実現)とは

当社のマテリアリティ(経営の重要課題)は3つの戦略と4つのESGマテリアリティで構成されています。「Ophthalmology」(眼科医療への貢献)「Wellness」(健康な目の追求)「Inclusion」(共生社会の実現)の3つの戦略の一つ、「Inclusion」では、視覚障がいの有無にかかわらず交じり合い、いきいきと共生する社会の実現を目指します。そのために、視覚障がいに対する人々の認知・理解の向上、ともに楽しみ・価値観を共有できる取り組みの推進、視覚障がいの方のQOL(Quality of Life: 生活の質)向上に向けて、デジタル技術を中心とした新たなソリューション探索等を推進していきます。

Santen2030と長期パートナーシップ

当社は、NPO法人日本ブラインドサッカー協会(以下JBFA)のビジョン「ブラインドサッカーを通じて、視覚障がい者と健常者が当たり前に混ざり合う社会を実現すること」および、ミッション「ブラインドサッカーに携わるものが、障がいの有無にかかわらず、生きがいを持って生きることに貢献すること」に共感し、2017年3月、パートナーシップ契約を締結しました。ブラインドサッカー男子日本代表および女子日本代表のスポンサーをはじめ、運動する機会が少ない視覚に障がいがある子どもたちがスポーツに触れ、取り組むきっかけとなる活動や、小中学校向けダイバーシティ教育プログラムの実施を継続して行っています。2019年には当社として初の試みとなる国際大会への協賛をしました。タイのパタヤで開催された国際視覚障害者スポーツ連盟ブラインドサッカーアジア選手権では、現地の視覚障がい児童のブラインドサッカー体験会、アジア地域各国から参加した従業員ボランティアによる支援活動などを実施しました。2020年3月には、「世界の視覚障がい」にまつわる社会課題の解決を志し、ブラインドサッカーの国際大会支援を行っている一般財団法人インターナショナル・ブラインドフットボール・ファウンデーション(以下IBF Foundation)とJBFAとの2030年度までの長期パートナーシップを締結しました。さらに、この長期パートナーシップの名称を「VISI-ONE(ビジワン)」とし、2020年10月に「”見える”と”見えない”の壁を溶かし、社会を誰もが活躍できる舞台にする」という共通ビジョンを発表しました。この長期パートナーシップ契約締結により、Santen、JBFA、およびIBF Foundationは、ブラインドサッカーを出発点とし、視覚障がい者にとってのスポーツ、新たな職業、イノベーションへの参画など、視覚に障がいのある方の多様な社会参画への架け橋となることを目指しています。

国際機関との取り組み

Santenは、障がい者の活躍推進に取り組む国際イニシアチブ「The Valuable 500」の趣旨に賛同し加盟しました。
「The Valuable 500」とは、2019年1月の世界経済フォーラム年次総会において発足した障がい者の活躍推進に取り組む国際イニシアチブです。ビジネスリーダーが自社の事業に対して、インクルーシブな改革を起こしていくことによって、障がい者が社会、ビジネス、経済における潜在的な価値を発揮できるようなインクルーシブな社会を創ることを目的としています。

当社の取り組み

私たちが目指す理想の世界である“Happiness with Vision”の実現にむけた長期戦略のひとつに“Inclusion”を掲げています。私たちはこの“Inclusion”を通じて、視覚障がいの有無にかかわらずいきいきと共生する社会の実現を目指し、以下のアプローチを戦略的に取り組んでいきます。さらにはその共生社会の持続的発展に向け、ビジネスの可能性を追求していきます。

  • 失明や視覚障がいに対する人々の認知・理解の向上
  • 共に楽しみ価値観を共有
  • 新たなソリューション探索

ブラインドエクスペリエンスという考え方

当社は、ブラインドエクスペリエンスという考えを大切にしています。このアプローチは見えない体験を通じて、失明や視覚障がいに対する人々の認知、理解を向上させることで、無意識のバイアスをなくし、晴眼者と視覚障がい者の間にある壁を溶かしていくものです。また、ともに楽しみ、価値観を共有する。そして、QOL向上へ、新たなソリューション探索にまでつなげていきます。
当社はブラインドエクスペリエンスを通して、4つの大きな目標にチャレンジしています。

  1. 社会全体のマインドセットの醸成
    社会全体の視覚障がい者に対する認識や、視覚障がい者自身の考えを変えていくこと
  2. 眼科医療と福祉の連結
    多くの視覚障がい者が訪れる眼科医療から、福祉への橋渡し
  3. 視覚障がい者の経済的な自立支援
    経済的な自立が難しくなりがちな、視覚障がい者の自立を促すような支援
  4. ソリューションの普及
    視覚障がい者、その周辺の人々にも多くの幸せが得られるようなソリューションを普及させていくこと

ブラインドエクスペリエンスに関わっている視覚に障がいがある当社従業員にインタビューしました。

ブラインドエクスペリエンスの業務に携わる中で、気づいたことを教えてください。

葭原
健常者が視覚障がい者を見かけた時に、何かをしたいと思ってくれる人は多いのですが、身近にいないために実際には何をすればいいのかわからず、行動に移せないという人が非常に多いと気づきました。

その気づきに対して参加者に何かアドバイスされていますか。

葭原
「声掛け」の重要性を伝えています。特に「見えない」体験をすることは参加者にとってその重要性を実感できる場となっています。視覚障がい者にとって、周囲の状況やどこに誰がいるのかを認識することは困難です。視覚障がい者が困っている様子であれば、是非声を掛けるべきであること、当事者はサポート方法の専門家なので、実際にどうすればいいかは聞いてもらえたら解決することを伝えています。

葭原 滋男
CSV・People Centricity企画担当
グローバル企画も推進、パラアスリートのレジェンドでもある

ブラインドエクスペリエンスは参加者にどのような価値を提供できるのでしょうか。

鳥居
自分にとって当たり前にできることを積極的に発信することが、参加者に驚きや新たな気づきを提供することにつながっていると感じます。障がいに対する多くの人々の意識は「無関心」や「無知」です。まず「知る」ことがはじめの一歩で、この一歩は健常者と障がい者の間にある心の壁を減らすための大きな一歩だと思っています。

「心の壁を減らす」ために意識して伝えていることはありますか。

鳥居
見えなくてもできることは多いこと、できるようになるために日々努力と工夫をしていることを意識して伝えています。障がいの有無にかかわらずみんな同じであることを知ってもらい、「見えない」ことも一つの個性と捉えて交流することで、新たな発見や学びが生まれます。

鳥居 健人
CSV・People Centricity企画担当
ブラインドサッカー日本代表であることを活用した企業ブランディングにも貢献している

最後に、お二人の実現したい社会はどのようなものでしょうか。

葭原
視覚障がい者が普通に社会進出し、安心していきいきと生活している社会でしょうか。その社会を築いていくことが、障がいの有無に限らず、困っている人がいたら助けるという意識形成につながっていると思います。

鳥居
いつか障がいという概念がなくなり、お互いに助け合うことで、すべての人にとって楽しい生活を送ることができる社会を実現したいと思っています。そのためにまずは、当事者である私たちが自分のことを発信し、共有できる機会が必要だと感じています。