イノベーションおよびエコシステムの発展加速

Santenは、事業分野である眼科領域における医療アクセス向上に取り組み、眼の疾患や不具合に起因する世界中の人々の社会的・経済的な機会損失を削減することを目指します。

「Ophthalmology」(眼科医療への貢献)とは

当社のマテリアリティ(経営の重要課題)は3つの戦略と4つのESGマテリアリティで構成されています。「Ophthalmology」(眼科医療への貢献)「Wellness」(健康な目の追求)「Inclusion」(共生社会の実現)の3つの戦略の一つ、「Ophthalmology」では、眼科医療のイノベーションおよび眼科医療エコシステム(※)の発展を加速していきます。

眼科医療のイノベーション

医薬品やデバイスの新製品創出はもちろんのこと、細胞治療や遺伝子治療等の革新的な治療アプローチへの取り組みに加えて、製薬企業としての枠を越え、患者さん起点で眼科医療ソリューションの開発と提供に取り組むことにより、眼の疾患からの解放と患者さんの生活の質向上を目指します。

眼科医療エコシステムの発展加速

眼科薬やサージカルデバイスの開発、販売、安定供給により、増大するメディカルニーズを充足させていくことに加え、眼科医療エコシステムの質的・量的充実や社会的効率の向上をステークホルダーとの連携のもとに推進していきます。

  • 眼科医療エコシステム:眼科医療の提供に寄与するさまざまな関係者の集合体とそれらが有機的に機能する連携関係のこと

Orbisとのパートナーシップによる質の高い眼科医療システムの発展加速

当社は、眼科医療従事者のスキル向上、眼科医療従事者の教育を支援するためのデジタル技術の開発、さらには目の健康の重要性に対する社会的な認知向上を通じ、誰もが質の高い眼科医療を受けることが可能な眼科医療システムの発展を加速させることを目的に、40年にわたり回避可能な失明の予防および治療に先駆的に取り組んできた世界的な非政府組織であるOrbis Internationalと2020年より提携しています。

眼科医の緑内障専門知識とスキル向上に向けた取り組み(中国・ベトナム・インド)

オンライントレーニング

Orbisのオンライン教育プラットフォームである「Cybersight」では、様々な眼疾患のトピックスについてのオンラインコースや最新医学情報などの豊富な学習コンテンツを配信し、効率的な学習機会を提供することで、眼科医の専門知識の向上に貢献しています。「Cybersight」を活用することで、場所を問わずどこからでも標準化された教育プラットフォームにアクセスでき、かつ無料で世界標準の知識を学ぶことができます。また、高水準の教育コンテンツを多言語で配信することで、現地の眼科医や医療従事者に対して母国語での効果的な学習機会を提供しています。
2022年7月現在、6つのオンラインコースと20を超える緑内障の医学教育コンテンツを中国語で、2つのオンラインコースと4つの医学教育コンテンツをベトナム語で配信しており、中国、ベトナム、インドで、それぞれ1,700人、1,600人、および5,300人以上の眼科医が「Cybersight」を活用して学習しています。世界212の国と地域で67,000人以上の眼科医がこのプラットフォームを利用しています。

診断および手術スキルの向上

診断技術や手術手技を向上させるためには、設備、教材、プログラム、優秀なトレーナーなど、トレーニングのための適切な環境と十分な機会が必要です。より多くの眼科医に専門的かつ高水準のトレーニングを効率的に提供すべく、AIやデジタル技術を活用した診断のサポートや、オンラインによる遠隔指導、シミュレーションキットを活用した手術トレーニングなど、革新的なトレーニングプログラムを「Cybersight」を通じて提供し、新興国の眼科医の緑内障診断・手術スキルの向上に努めています。

シミュレーションキットを使用した緑内障手術トレーニング (Pham Ngoc Thach University of Medicine, Vietnam)

眼科研修医育成の取り組み(ベトナム・インド)

質の高い眼科医療を提供するためには、研修医に対しても標準化された高水準の教育を提供し、十分に教育を受けた眼科医を増やすことが重要です。研修プログラムの評価ツールや教員の育成プログラム、デジタル技術を活用したトレーニングツールなど、教育水準の向上に向けたソリューションの開発と実装を通して、研修医育成プログラムの標準化と現地教育機関の研修医育成能力の増強に取り組んでいます。

目の健康の重要性に対する社会的な認知向上に向けた取り組み(インド・中国)

眼科医療および視機能の改善によるQOLへの影響など、目の健康の重要性を定量化することを目的とした学術研究を進めています。子どもの視力障がいとメンタルヘルスの関連性に関する研究結果が専門誌「Ophthalmology」に掲載されました。学術研究プロジェクトの成果が、インドや中国でのアドボカシー活動や視力ケアの重要性の啓発に活用されることを目標としています。

SNECとの戦略的パートナーシップによる医療従事者への革新的教育プログラムの提供

当社は、眼科医療従事者に対する教育において世界をリードする存在として国際的に広く認知されているSingapore National Eye Centre(SNEC)と戦略的パートナーシップを締結しました。オンライン・オフライン融合型の革新的な教育プログラムの共同開発と国際展開を進めています。
最初の取り組みとして、眼科検査を担う検査技士を対象とした教育プログラムをシンガポールで開始しました。今後、他の国や地域へ展開していきます。

Verilyとの合弁会社設立による眼科デバイスなどのソリューション開発

Santenは、さまざまな人々の目の健康の向上を目的に、Verily Life Sciences LLC(本社:米国サンフランシスコ、以下Verily社)との合弁会社「Twenty Twenty Therapeutics」を設立しました。

世界中の近代的な眼科診療を支援するためのソリューションを開発していく予定です。Santenの眼科における専門性および高い技術と、Verily社の統合医療機器や機械学習の開発における専門性を融合することで、独創的な眼科デバイスや総合的な技術ソリューションを開発、商品化していきます。

中長期的には、機械学習等を活用した医療負荷の軽減は、途上国の医療エコシステムの飛躍的成長も促します。医療アクセスと医療の質を向上させ、患者さんの疾患による負荷の軽減を目指します。